総合建設会社(ゼネコン)に勤務、建物の構造設計を行っていました。
「鉄筋コンクリート造超高層建物」の開発がスタートしてからは、技術開発から、実施設計、設計監理と、開発の全てに携わりました。
また、建設省総合技術開発プロジェクト「通称:New RC総プロ」にも参加しました。
これにより、各社の構造技術関係者と交流し、いろいろな建設現場を見学することができ、躯体の施工に関して多くの事を識ことが出来ました。
兵庫県南部地震では、被災した多くの建物の、構造躯体の損傷状況をまじかにして、施工の重要性を強く感じました。
これらの経験から、構造躯体の重要性と施工のポイントを関連付けた資料を作成したいと思い立ちました。
私は、1986年より、RC造超高層建物の技術開発に携わり、その後は実施設計と設計監理を行ってきました。
最初に実現したのが、写真の21階建ての超高層建物です。
設計監理を行う中では、RC造超高層建物の構造設計の考え方や、構造設計からみた躯体施工上のポイントを現場技術者に説明してきました。
この現場への技術説明の内容を、体系的にまとめ直したものが本資料です。
本資料は、構造技術の視点から躯体施工において識っておいてほしい点を、できるだけ写真を多く用いて説明しています。
一方、現在、設計されているRC造の中高層建物は、RC造超高層建物と同じ設計方法(増分解析、終局強度設計)と材料(高強度コンクリート、高強度太径鉄筋等)の使用が一般的となりました。
このことから、本資料はRC造全般の躯体施工に有用と考えております。
写真を多く用いて、ポイントを具体的に示していますので、施工関係者や設計者はもとより、建築関係の学生にも、大いに参考になると思います。
本資料が、RC造建物の品質向上に資することを期待しています。