天職部35_愛すること、学ぶこと、生きること、
カウンセリング
メンタルヘルス・心理学
作者:梅田幸子 販売形式:単品販売 商品種別:動画 再生時間:120分
初めて息子に手紙を書いた。
彰悟へ
二十歳、成人おめでとう。
この二十年間、彰悟のお陰でたくさんのことを学び、親として色んな経験をさせてもらいました。本当にありがとう。
赤ちゃんの頃から何度も手術を受け、苦しい闘病生活を送り、声が出せず思い通りにならないことも沢山あったと思うけど、それを受け入れ、耐えている姿は、ただただ尊敬するのみです。
できないことではなく、今、自分にできることに意識を向け、楽しんで生きている姿も、素晴らしいと思います。
そして、彰悟といるといつも優しい気持ちになれます。
彰悟がいるだけで、お父さんや家族みんな、周りの人たちの「愛」を引き出してくれます。
お父さんが、こうして幸せでいられるのは彰悟のお陰です。ありがとう。
これからもどうぞよろしくお願いします。
二〇一七年一月十一日
お父さんより
息子は文字も読めないし、言葉もわからない。
でも、この想いはきっと伝わっていると思う。
息子が通っている障がい者福祉施設に、たまに私が迎えに行くと、施設の職員さんが「彰悟くんの大好きなお父さんが来たよー」って息子に伝えてくれる。
この手紙は、その福祉施設の成人式で、親が成人を迎える子どもに手紙を渡す場面があり、そのために書いたものだ。
息子が生まれた日、病院に駆けつけると、お医者さんから「ダウン症の可能性があります」と告げられ、不安で胸がいっぱいになった。
この子は、普通に生活できるのだろうか?
学校に行けるのだろうか?
友達はできるのだろうか?
就職して働くことはできるのだろうか?
恋愛や結婚はできるのだろうか?
三カ月後。
息子が突然咽びだし、肋骨が折れるんじゃないかと思うくらい限界まで胸を上下に動かす。
「息ができない、助けてー」、息子の叫び声が聞こえてくるようだった。
焦りと不安のパニック状態で、命の危険を感じながら病院へ。
気管軟化症という気管が軟らかすぎる病気で気道が塞がり窒息状態。
気道確保のために口から肺まで管を押し入れる。
その後、気管切開。首の下の方の気道に穴を開け、肺まで空気が通り、呼吸できるようにするための手術を行う。
「口から呼吸できるようになるんですか? 声は出せるようになるんですか?」と医師に聞くと、「成長して体が大きくなれば、気道もしっかりしてきて気管切開も閉じ、声も出せるようになりますよ」と言われた。
その言葉に救われた。
「もし何でも願い事が叶うなら、どんなことができたらいい?」。
起業して三年、仕事も順調に行き始めた頃、妻に聞いてみた。
妻の願いは「彰悟と話ができるようになったらいいな」。
息子への愛のこもった言葉だ。
私も同じ思いだった。
息子は十五歳になり、何度も手術を受けてきたが、医師からは「気道が完全に塞がり、気管切開を閉じるのは難しい」と言われていた。
それからしばらく妻の言葉が頭に残り、自分にできることはないか考えた。
そうだ! 話ができなくても、自分が息子の気持ちを理解できる人になればいいんだ。
実際に人の気持ちを感じることができる人、動物と会話できる人もいる。
私が息子と一番ゆっくり向き合えるのは、一緒にお風呂に入っている時だ。
息子はお風呂で遊ぶのが大好きだ。湯船に浸かりながら、半透明のプリンカップにお湯を入れ、また別のカップに注ぐ。
3つのカップの中をお湯が行ったり来たりしている。
楽しそうな息子の姿を見ると幸せな気持ちになる。
私がお風呂から上がってもしばらく遊んでいる。
私は体を拭き、ドライヤーで髪を乾かした後、息子がお風呂から上がるのを待っている。
息子は浴槽の中、私は洗い場で息子と同じ目線になるようにしゃがんだ。
息子が何を思っているのか感じようとした。
目を閉じ、意識を澄ましながら……。
「お風呂遊び楽しいな。でも、お父さんが待っているんで、そろそろ上がろうかな」、息子の思いが聞こえてくるような気がした。
息子が上がるのならと、私も立ち上がった。
目を開けると同時に息子も立ち上がった。
息子が本当にそう思っていたのかも!
息子の気持ちがほんの少しだが、わかったような気がした。うれしかった。
別の日のこと。
息子がお風呂から上がり、バスタオルで息子の体や頭を拭いていた。
すると、息子が急に抵抗し始めた。頭を拭いているバスタオルや私の手を跳ねのけようとする。
「えっ、何で?」。昔の私だったら、「嫌がらずに、ちょっと我慢してね」という感じで、抵抗する息子の頭を拭いていた。
でも、息子と過ごす中で、気づいたことがある。
息子は私の心を映し出してくれている。
私に何かを気づかせようとしている。
そう思って抵抗する息子の姿を見ると、自分の心が見えてきた。
私は早く別のことをしようと思って、ササッと雑に息子の頭を拭いていた。
急いでいた。焦っていた。
それに気づいた私は「ごめんね」と言って、ゆっくりと優しく息子の頭を拭きはじめた。
すると、息子がニコッとかわいい笑顔で私を見上げてくれた。
「お父さん、気づいたんだね。そうだよ。ありがとう」って言っている気がした。
息子が何を思い、何を感じているかは、今の私には本当のところはわからない。
でも、わかろうとすることの大切さには気づいた。
それは言葉だけではなく、息子が私の子として生まれてきた理由についても、人生に起きる試練や生きる意味についても。
これから、私が息子と過ごしてきた人生で学んだことを話そうと思う。
すべては順調にいっているということも。
・・・・・・・
これは、ダウン症の彰悟君のお父様
福岡で、コーチをされている
田中伸一さんが
本を執筆しようと準備された
「まえがき」です。
この続きを、天職部で。
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【第一部】
田中 伸一さん講演
声をなくしたダウン症の息子が自分の生きる姿を通して、父に気づかせてくれた「人間的な成長」と「自分らしく幸せに生きる」ための心温まるメッセージ。
●ゲスト・田中 伸一さんプロフィール
https://www.axisevolution.com/s/
クシスエボリューション代表。プロコーチ、研修講師、人材育成コンサルタント。
福岡銀行勤務後、障がいのある息子の病院・施設の関係で転勤のない会社に転職。その後、プロコーチの資格を取得し、2008年独立。地場上場企業・自治体から個人クライアントまで幅広いお客様からのご依頼を受ける。
ドリームプランプレゼンテーション2011 in 福岡で『幸せ家族プロジェクト~相手に寄り添う気持ちから~』をプレゼンし、感動大賞受賞。2019年、障がいのある息子との関わりの中でたくさんの学びと気づきを得たことの講演活動を始める。
【第二部】
田中 伸一さんと梅田幸子のトークセッション
●梅田幸子プロフィール
天職コンサルタント。有限会社グローカル取締役。
コンサルティングや講座、ワークショップなどで、ひとりひとりが魂の喜びにまっすぐに天職を生きられるよう、心を開放し、身体を育て、その人にあった策を練る。
2005年独立前は、3社で人事採用を中心に、人材育成やスクールマネジメント、広報に従事。現在も、企業へのコンサルティングや、採用面接官を育成する研修などの依頼もある。
ライフワークとして、フラメンコを踊る。1児の母。
著書
・あなたが「一番輝く」仕事を見つける最強の自己分析
・だから内定を逃がすもったいないカン違い45
「就活」成功の秘訣
・はじめての転職100問100答
・あなたの天職がわかる最強の自己分析
著書累計 53000部(韓国語版ふくむ)
【他】
タブラオ・ライブ・イベントなどでフラメンコを踊る、一児の母
ブログ『天職で輝く 幸せキャリアの新常識』
■金額
単品 4980円
継続会員は、4596/月
ただいま、初月3240円キャンペーン実施中。申し込み期間は、1日~24日です。
継続会員のご案内は、こちら>>>
■天職部とは?
天職コンサルタント梅田幸子による、心と身体と思考を「天職モード」にチューニングする月1回のセミナーです。
時代の変化とともに、古い時代の「常識」や「価値観」「やり方」では、幸せに働けなくなってきました。
魂の本質に従って、自分の心が喜ぶ生き方をする新時代に対応する、新しい考え方や自分の本当の願いに気づく方法をお伝えしています。
◆心と頭の身体はつながっている ~脳を活性化する体操~
◆自分らしを押さえている、心や思考の癖を知る
◆天職を生きるための知恵
◆公開ミニコンサルティング
など
毎回のテーマは、参加する部員のお悩み、波動にあわせて、設定します。
天職を生きたい人はもちろん、キャリア支援者や、人事・上司の立場など、梅田幸子のセッションを見て勉強したいという方も参加されています。
あなたが天職を生きることで、まわりの人も天職モードに。
価格: 5,500円
カリキュラム
クロストーク:田中伸一氏×梅田幸子 公開日: 2019/07/051 | 約14分 2.クロストーク:気づけば消える・使命を生きる |
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2 | 約16分 3.クロストーク:心の発達 赤ちゃんから初期・中期自我 |
3 | 約24分 4.クロストーク:心の発達 後期自我から成熟した自我へ |
1 | 約24分 1-1愛すること、学ぶこと、生きること |
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2 | 約13分 1-2ドリームプランプレゼンテーション補足 |
3 | 約31分 1-3エピソードから学ぶ魂の成長 |